こんにちは。
1児の母のえりです。
今回は実際に退院支援看護師として一年間働いてきた私が、このようなお悩みにお答えします。
私は育休復帰後に病棟勤務から退院支援看護師へ異動になりました。
病棟看護師とは全く違う役割に最初は戸惑いや不安を感じていました。
と、分からないことだらけ。
でも、実際に経験してみると、患者さんが元気で退院してもらうためには欠かせない、大切なお仕事だということが分かりました。
今回は私の勤務経験をもとに、退院支援看護師の仕事内容や役割についてご紹介していきます。
この記事を読んで、退院支援看護師って面白そう!やってみたい!という人が増えたら嬉しいです。
退院支援看護師の仕事内容は?1年間務めた私の体験談
まず、退院支援看護師という言葉を聞いたことがない方のために、用語の定義から説明していきます。
退院支援看護師の用語の定義
退院支援看護師は退院支援と退院調整を行います。
それぞれの用語の定義は以下です。
退院支援:
患者が自分の病気や障害を理解し、退院後も継続が必要な医療や看護を受けながらどこで療養するか、どのような生活を送るかを自己決定するための支援
退院調整:
患者の自己決定を促進するために、患者・家族の意向を踏まえて環境・ヒト・モノを社会保障制度や社会資源につなぐなどのマネジメントの過程
引用)宇都宮宏子、三輪恭子編.これからの退院支援・退院調整¥ジェネラリストナースがつなぐ外来・病棟・地域.日本看護協会出版会.2011.
退院支援看護師の背景
2018年度の診療報酬の改定で「退院支援加算」から「入退院支援加算」に名称が変更されました。
その背景には以下の5つがあります。
- 入院前から退院後の在宅まで切れ目のない支援が重要
- 入院前の支援(入院生活の説明、持参薬の確認、入院前に利用していたサービスの確認)が必要
- 退院支援・連携に関する評価の算定回数は年々増加している
- 福祉サービスなど入院前の支援状況を早期に把握し、関係機関との連携が重要
- 外来通院中の患者が入院する際に連携を行う部署や窓口のニーズが高まっている
退院支援の目的
患者家族の主体的な参加のもと、患者が退院後も自立した自分らしい生活が送れるように教育指導を提供し、諸サービスの活用を支援するために多職種協働によるチームアプローチを行います。
退院支援看護師の役割
患者が望む場所に戻れるように、医師、病棟スタッフ、ソーシャルワーカーと連携し、社会資源の調整などを行っていきます。
具体的には、介護保険・障害者手帳の申請を促したり、介護度を持っている人には在宅サービスの見直しや調整をケアマネジャーと連携しながら行ったりします。
退院支援看護師になるには?資格は必要?
退院支援看護師になるには資格は必要ありません。
ですが、病院独自の研修を設けているところもあるみたいですね。
看護協会が開催している研修にも退院支援の内容がいくつかありました。
診療報酬の改定で、入退院支援部門を設置し、「専従の社会福祉士1名以上+専任の看護師」または「専従の看護師1名以上+専任の社会福祉士」を配置すると決まりました。
そのため、退院支援看護師は病棟業務をせず、退院支援の業務だけにあたることになります。
退院支援看護師の具体的な仕事内容
- 退院支援が必要な患者の把握をする(患者・家族面接、カルテからなど)
- 退院支援計画書の作成
- 病棟カンファレンスへ参加する
- 医師、病棟外来看護師、社会福祉士、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語療法士と連携する
- 自宅環境の調査(退院前在宅訪問、退院後在宅訪問の実施)
- 患者・家族の療養に関する相談窓口となる
- 地域医療機関(診療所・訪問看護・施設)スタッフと連携し状況に応じ連携窓口となる
- 研修に参加し、研鑽を積む
退院支援看護師に向いている人は?
- ある程度の看護経験があるひと
- 育休復帰後や育児短時間を所得しているひと
患者を総合的に捉える力が必要になるため、ある程度の看護経験がある人が向いています。
また、夜勤がないため、育休復帰後の人や育児短時間を所得している人に向いている役割だと思います。
退院支援看護師のおすすめの本
退院支援看護師は新しくできた役割のため、まだまだ参考資料が少ないのが現状です。
その中でも私のおすすめの本をいくつかあげておきますね。
退院支援看護師の仕事内容は? まとめ
退院支援看護師の仕事内容について、私が経験したことをもとにご紹介させていただきました。
退院支援看護師という役割は新しくできたものですが、今後ますます重要な役割になってくると思います。
最期は病院で、という時代から、最期は在宅で、が当たり前になる時代が来ると思います。そうしたとき、患者の自己決定を促したり、在宅療養に向けて支援したりするのは私たちです。
病棟と地域連携室の中間に立ち、それぞれと連携をとりながら活動することは大変ですが、やりがいも沢山あります。
なにより、患者さんが元気になって望む場所に帰っていく姿を見ると、やってて良かったな、と感じられますよ。
看護師の復職で迷われている方がいましたら、こういった役割もあるということを知ってもらえたら嬉しいです。参考にしてみてくださいね。